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「ユーラシア大陸横断ローマへ59日間」

  半年ぶりのメールマガジンとなります。8月21日から10月18日まで、「ユーラシア大陸横断ローマへ」のツアーに行ってきました。中国・新疆のウルムチからイタリアのローマまで、2ヶ月にわたるバス旅。ただひたすら大地を走り続け、走破した距離は約1万5千キロ。中国、旧ソ連・中央アジア(カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)、イラン、旧ソ連・コーカサス(アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア)、トルコ、ブルガリア、アルバニア、旧ユーゴスラビア(マケドニア、モンテネグロ、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニア)、イタリア、サンマリノ、バチカン市国。バチカン市国まで入れると、20ヶ国を回った事になります。 

  しかし91年に旧ソ連が崩壊するまで、中央アジアやコーカサスの国々は旧ソビエト連邦、マケドニア等の国々は旧ユーゴスラビアとして、統一されたひとつの国でした。当時ならわずか10ヶ国を回ったに過ぎません。その後、各国は独立していきましたが、中央アジアのように平和裏に独立した国もあれば、コーカサスや旧ユーゴスラビアのように血を流さなければ独立を勝ち取れなかった国もあります。しかしまだまだ各国には、紛争の火種は残っています。片やヨーロッパはEUとして統一され、ブルガリア、スロベニアも加え、拡大傾向にあります。 

  「国とは?民族とは何か?」。そんな事をを深く考えさせられた旅でした。帰国すると、日本では期せずして、尖閣・北方領土問題が起きました。相手は、常に領土・民族問題を抱えている大陸国家の中国・ロシアです。彼の国々からすれば、国や民族等に対して問題意識の薄い日本など、赤子の手をひねるようでしょう。 

  領土問題は力関係です。中国・ロシア(旧ソ連)の国力が弱い間に、なぜ解決してこなかったのか。先送りしたつけが回って来ています。今となっては解決は難しく、血を流す気がないのなら、かなり譲歩するか、あやふやにして機会を待つしかないでしょう。 

  今回訪れた国々でも、少なからず領土問題を抱えています。周辺国と友好的な関係を築いている国々は数えるほど。何らかの形で対立要素を持ち、常に利害関係を考慮しながら、外交関係を結んでいます。 

  陸の国境がない日本とあまりにも対照的な大陸国家。旅で感じた違いを帰国後にまざまざと見せつけられた思いです。 

  *11月~1月中旬までは日本にいる予定です。

●「どこが印象に残っていますか?」1 

すぐに口をついて出てくるのが「炎天下の国境を歩いた事」、「バスが壊れた事」、 等の苦労話に、「砂漠で食べた瓜やスイカ」、「中国のラグメン(トマト・羊肉炒め載せぶっかけ手打ち麺)」、「イランのシシカバブ(羊の串焼き)」などのおいしい話。  

▼ウズベキスタンからトルクメニスタンへの国境越え  

ウズベキスタンの出国ゲートを抜けると、トルクメニスタンに向かって、一本の舗装道路が続いている。足以外に他の交通手段はない。スーツケースを押して、砂漠の中に続く、この道を歩いて行かなければならない。気温は40度を越え、暑い日差しが照りつける。年輩のお客さんと一部の荷物は、ヒッチしたトラックに載せてもらい、残りのお客さんと一緒に1500mの道を歩いた。  

「まるで避難民のようね」  

旅が終わった後、こんな経験が一番の酒の肴になる。

▼トルクメニスタンの瓜(メロン)  

中国のハミ瓜(通称)は有名だが、中央アジアの瓜は更に大きく甘い。1個10kgを越える巨大な瓜は、10人以上の渇きを癒やしてくれる。乾燥した砂漠のオアシスで育った瓜は、中に十分な水分と甘みを蓄えている。瓜自身が我々にとってのオアシスである。 

 

●「どこが印象に残っていますか?」2 

ちょっと考えるて出てくるのが「人々の笑顔」、「アルメニアの美人」、「ボスニア・ヘ ルツェゴビナで見た内戦の傷跡」等々の話。美しい風景や観光地の話は、話題にさえ載らない。 

▼セルビア 学生達の記念写真   

記念写真を撮っている学生達。私も便乗して、記念写真の記念撮影。「変なおじさん」と揶揄することなく、無邪気な笑顔を向けてくれた。  

セルビアは、旧ユーゴの内戦の主犯。悪のイメージがあったのだが・・・。99年首都のベオグラードはNATOによって空爆もされている。が意外や意外、旧ユーゴの中では、最も笑顔に溢れている国だった。  

今回の旅の中では、ウズベキスタン、イラン、セルビアに「笑顔が美しかったで賞」を贈呈したい。いつもこの賞に選ばれるのは、貧しい国や政治的に問題がある国が多い。経済発展や民主化が進んだ国=笑顔が美しい国とは」ならないようだ。  

   

▼アルメニア お土産品店の女性  

アルメニアは、ロシアに負けず劣らず美人の国。更にはロシアより東洋的な顔つきが日本人には親しみやすい。「美人はロシアに出稼ぎに出てしまった」という話も聞くが、いやいやどうして、今でも美人に出会う確率は異常に高い。

▼ボスニア・ヘルツェゴビナ   

左:モスタルの弾痕が刻まれた廃墟   

右:サラエボ五輪補助グランド 無数に並ぶ墓標    

1992年~95年の内戦で20万人の死者を出し、200万人もの避難民を出した国である。かつては何の問題もなく共存共栄をしていたセルビア人・クロアチア人・ムスリム人が血で血を洗う戦いを繰り返した。民族同士の争い?3民族ともスラブ系で人種は同じ、言葉にもそれほどの違いはない。宗教戦争?セルビア人がキリスト教の正教、クロアチア人がキリスト教のカトリック、ムスリム人  がイスラム教と違いはあるが、争いになるほど厳格ではない。それまでは異なる民族同士の結婚も多く、人々は混ざり合って暮らしてきた。  

「今となっては、何のために戦ったか分からない」という声を聞く。結局政治的な  主導権争いに民衆が巻き込まれた形となった。しかしその傷はあまりにも深い。

▼クロアチア セヴァン・ステファン島   

こんな風景もあった。今ヨーロッパでは最もホットな観光地として知られるクロアチア。アドリア海の真珠ドブロヴニク、大小の滝とエメラルドグリーンの湖が作り出す自然美が際立つプリトヴィッツェ国立公園。その美しさを持ってしても、国境越えや瓜のおいしさ等の強烈な印象には叶わない。

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